「対角線論法撲滅計画 のサイトが一般公開されなくなっている。ちょっと困った。大まかな内容は記憶しているつもりだが、正しいかどうか。まあ、記憶が正しいと仮定して話を進める。
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追記: くれぐれも誤解されないように、最初に書いておきます。
対角線論法撲滅計画の論法は間違っています。
私の主張は、対角線論法撲滅委員会のどこがどう間違っているのかを、間違ってはならない、ということです。
「愛の手を」と書いたのは、うっかりすると、斜め読みしてしまって主張を誤解してしまう人がいるので、まずよく読んで、何を主張しているのか把握しましょう、という意味です。
---- 追記終わり
これは、カントールが使ったことで有名な対角線論法について、それはおかしい、としているサイトだ。そこではいくつかの戦線で攻撃を開始しているがそのうちの一つが独特である。
一応、私は数学素人なのだが対角線論法肯定派である。当然、この撲滅計画の論理には反対で、このぐらいなら素人でも反論できる。
ただ、問題なのは、世の中には、対角線論法撲滅計画の作者の主張を間違って受け止めておいて、撲滅計画が間違っていると主張する人がいる(いや、確かに間違ってはいると思うが、反論も見当違いになってるわけだ)。撲滅計画の論法は正しいという人もいるようだが。撲滅計画が間違ってる、と主張している人が正しいとは限らない例もある: htttttttttp://openblog.meblog.biz/article/1879181.html htttttttttp://openblog.meblog.biz/article/1879170.html (ついでに、正しかろうが間違っていようが、議論の的になってリンクが沢山貼られると、検索で上位に来る例でもあるので、リンクは貼らない)。こちらが暴走しているので、相対的に撲滅計画を少しだけ取り上げたわけである。
主張の内容を誤解して、正しいか否かを議論しても迷路に陥るだけだ。
その点において、なかなかユニークな論法なので、ネットから消えるのは少し惜しい気がする。
そこで、この主張を再現してみたい。
撲滅計画の主張では、《カントールは対角線論法によって自然数と実数との間に1対1の対応をつけることができない、としたが、この「対角線論法」がどうも怪しい。この論法が正しいとすると、以下のような変なことが起こってしまう》とする。
非負偶数すべてを0,2,4,6,8,・・・と列挙する。
これらを、2進数表記する:0,10,100,110,1000,・・
この2進表記をただの'"0"と"1"という記号の列と見なす。
それぞれを左右逆転する。0,01,001,011,0001,・・・。元は偶数だったので、左端の文字は必ず0であることに注意。
各列の左端の0の次に小数点を打って、小数とみなす。右の空白は0が省略されているとみなす。
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これで、偶数に小数を対応つける1対1の対応ができた。
対角線論法の方法で、まず対角線の部分をとる。ただし、第3行目から始めることとする(このくらいの修正は何とでもなる。(1)の段階で、4以上の偶数としてもよい)。
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その対角線の部分「0110・・・」の1と0を入れ替えて、頭に「0.」をつけると、新しい小数表現「0.1001・・・」ができる。
対角線論法により、これは、列挙したどの少数表現とも異なる。(最初の2つの行とも異なる。)しかし、この小数表現を、逆変換したら、新しい偶数となるはずである。従って、すべての偶数を列挙したはずなのに、その中に入っていない偶数ができたことになって、矛盾する。
よって、対角線論法はどこかおかしい。
数学にちょっと詳しい人ならば、すぐに、(6)の段階で、「この対応は、1対1の対応であっても(異なった偶数が同じ小数に対応することはない)、上への写像ではない(偶数と対応しない小数がある)よ」、言い換えれば「単射であっても、全射でない」と言うのではあるまいか? この対応付けでは、漏れがあるという意味である。確かにそうには違いない。
しかし、「だから、この論法では、偶数全体と区間[0,1]との間の間に1対1、かつ上への写像ができることにはならない。従って、[0,1]が可算であることにはならない。素人がよくやる間違いだ」と言ってしまっては、その反論も間違っていることになる。(この間違った反論は、撲滅計画のサイトにも書いてあったと記憶している。)これでは反論にならないのだ。
なぜならば、対角線論法撲滅計画の作者は、この対応で、偶数全体と[0,1]との間に全単射ができるとは主張していないからだ。
撲滅したいのは、カントールが証明した、自然数全体と実数全体との間に1対1かつ上への対応はつけられない、という定理ではなく、対角線論法そのものなのだ。
その証拠に、この対応を列挙した後で、注釈として、(5)における小数表現は、十進小数を想定している、と書いてある。二進小数だとすると、0.00111111・・・ と 0.01 が同じ実数を表すという問題があって煩わしいからだ。十進小数ならばこれらは異なるので無用な議論労力を避けられる。
とすると、十進小数ならば、0.2や0.3もあるわけだが、偶数と対応するのは、小数点以下の数字が0か1のみなので、0.2や0.3に対応する偶数など存在しないわけである。だから、撲滅計画の作者は、漏れ、つまり偶数に対応しない小数があるのは重々承知なのである。
・・・というところで、私が撲滅計画の論旨に賛成していると思われては困るので、あらためて反論してみる。とはいえ、反論は驚くほど簡単だ。単に、対応表をもっと先まで書いてみれば、すぐに気がつく。
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対角線の部分を見れば10に対応する小数以下の対角線部分はずべて0であることに気づく。従って、この0と1を置き換えた小数は、0.100111111・・・という1が無限に続く無限小数になる。小数表記というのは、何進数であろうと、小数点の右には0でない数字が無限個あってもよいが、小数点の左側に0以外の数字が無限個あってはならない。従って、この小数表記は左右逆転できないし、当然、10進数に直すこともできない。撲滅計画は頓挫する。
従って、この対応は、偶数に「0.」以下が0か1かの数字しか現れない十進小数を対応させるが、こにきて「単射ではあるが全射ではない」という話が復活する。厳密にみれば、この対応は偶数に0か1かしか現れない「有限小数」(ある桁以後はすべて0の小数)との間に1対1かつ上への写像を定める。従って、対角線部分の0と1を交換した小数はどの偶数とも対応が付かず、0と1以外の数字は現れないから、必然的に無限小数以外にはないのである。
ここでもがいて「しかし何しろ無限なんだから、では、この列挙の順番をいろいろ変えてみたら、何とか先の方まで対角線部分が1(置き換えると0)になるようにできないか?」と思っても無駄なことがわかる。
【定理(というほど大げさではないが)】 この対応関係の行の順番をどのように変えようとも、対角線部分の0と1を入れ替えた小数は必ず無限小数になる。
念のために注意: 0か1しか現れない無限小数だからといって、必ずどこかの桁以降はすべて1になるのだろう、と勘違いしてはならない。表の行の順番によっては、どこまでいっても0も1も現れるような無限小数になることはある。
追記:あ、この対角線論法撲滅計画の本質をきちんと突いて、反論しているサイトがあった(^^)(^^) http://ameblo.jp/clock-necker/archive1-201104.html
この方は、対角線論法撲滅計画のどこが間違っているかを的確に指摘し、正しく論破していると思う。
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