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2015年5月16日 (土)

素人が芦部「憲法」を読んでみた (6) 立憲的憲法規範の特色

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Mokuji_4
目次

第一部 総論 > 第一章 憲法と立憲主義

四 憲法規範の特質

前項の例えば機能的分類とは言っても、規範的な立憲的憲法の特質とは何であるかがわからないと無意味だ。

立憲的憲法規範の特徴として、3つ示されている。

  1. 自由の基本法 ・・・ 憲法の根本規範が人権と自由を保障するものであって、統治機関はそれに奉仕するものとされること。特に、個人の尊厳が根本規範の中核。
  2. 制限規範 ・・・ 憲法が公権力を制限するものであること。すべての価値の根源は個人にあること。従って、憲法制定権力は国民にあること。
  3. 最高法規 ・・・ 人間の権利・自由をあらゆる国家権力から守るために、最高法規となっていること。憲法は法律とまったく異なるということ。憲法が一つの価値体系となっていること。

1 自由の基本法

自由の法秩序であり、自由主義の所産。

憲法は当然、国家権力の組織を定め、かつ授権する規範が不可欠であることは当然。しかし、それは憲法の中核ではない。

組織規範・授権規範は、より基本的な人権規範に奉仕するものとして存在する。

←自然権の思想。Jiyuu_no_kisohou

この自然権を実定化した人権規範は、憲法の中核を構成する「根本規範」(憲法それ自身の根拠を実定化したもの)。

この規範を支える核心的価値人間の人格不可侵の原則(個人の尊厳の原理)である。

つまり、人権規範憲法そのものの根拠を憲法内に書いたものであって、中核が人格不可侵の原則、ということは、現行第十三条あたりは、憲法の根拠の中核になるわけだ。だからこういう部分はちょっとやそっとのことで変えてはいけない部分だな。

しかし、日本では「個人の尊厳」という考え方が浸透しているとは言い難い。そこがやっかいだ。それは多くの日本人が憲法の根拠を理解していないことを意味するから。もちろん、単なるわがままを個人の尊厳と言うわけにはいかない。

注意書き: 純粋法学の創唱者として著名なケンゼル(Hans Kelsen, 1881-1973)は、根本規範を、実定法の最上位にあってその妥当性(通用力)の根拠となる思惟のうえで前提された規範としたが、この教科書では、実定法として定立された法規範
根本規範は、憲法が下位の法令の根拠となるように、憲法の根拠となり、またその内容を規律するもの。(つまり、憲法そのものの根拠が憲法内に書いてあるということか?

2 制限規範

憲法が国家権力を制限する;基礎法であること。

近代憲法の構成要素

  • 権利章典
  • 統治機構

の関係を考える上で特に重要。

近代憲法の前提: すべて個人はたがいに平等な存在であり、生まれながらにして自然権を有する。⇒ 実定化。

すべての価値の根源は個人にある、という思想。

;政治権力の究極の根拠も個人(国民)に存する。

憲法を実定化する主体は国民であり、国民が憲法制定権力(制憲権)の保持者

自然権思想 ⇔ 国民の憲法制定権力 ⇔ 国民主権

3 最高法規

憲法九十八条より

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

硬性憲法であることから、憲法が形式的に最高法規であることは当然。

むしろ、最高法規としての憲法の本質は

憲法が実質的に法律と異なる

(第五版 p.12)こと。憲法は法律ではない、という原理は繰り返す価値がある。

つまり、憲法が最高法規である理由は、その内容が、人間の権利・自由をあらゆる国家権力から不可侵のものとして保障する規範を中心として構成されているから。

さもなければ、国家権力が人間の権利・自由を侵害されるおそれがあるわけだ。

現行憲法 第十部 「高最法規」の冒頭にある、第九十七条

この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

は、硬性憲法の建前(九十六条)、憲法の形式的最高法規性(九十八条)の実質的な根拠を明らかにした規定。

考察

現行憲法97条 と 11条 は重複している、という指摘も多いし、実際、内容に重なってる部分は大きいが、少なくとも芦部信喜教授は、97条がこの位置にあることを重要視する立場のようだ。

この教科書には書いてないが、この条文の「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ」という部分も大事だと思う。この「努力」という言葉には市民革命などで「血を流した」意味も含まれていると思うからだ。

この立場は:

憲法を一つの価値体系と捉え、「個人の尊重」の原理とそれに基づく人権の体系を憲法の根本規範(basic norms)と考える ⇒ 憲法の価値序列を認めることになる。(憲法は、単なる条文の羅列ではなく、条文の重みも異なる、ということ?)

考察

個人的には、この価値体系、というか、憲法全体がただの条文の羅列ではなく、各条文が有機的に組み合わさって、ひとつの思想体系となっていることの美しさに感動した。もちろん、個人的なことなので、美しくないという人々も沢山いるだろう。もちろん、もし美しかったとしても、それが日本国憲法として適切か否かは別問題である。

注意: 今日は精神状態が悪いので、消化しきれずにアップするが、この部分は立憲的憲法の核心部分のひとつなので、後に加筆訂正する可能性があります。

これは、法学を全く知らない素人が、芦部信喜他「憲法」(第五版) (憲法関係だけでなく、法学全般で持っている参考書が基本的にこの本だけ。六法全書も持っていない)を読んで考えたことが記されています。

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